旅行業に携わりはや10数年。延べ9,800名の旅行を企画した、私、おはげと申します。
面倒な部分はわたくしどもにお任せいただき、皆様はカバンを持って現地に出向くだけ♪をモットーに旅行を仕事としています。
こんな風に考えて保険に入らずに海外に行かれる方が最近多く見受けられます。
結論から言いますと、保険には絶対に加入して下さい。
てゆ子ちゃんみたく「クレジットカード持ってるから大丈夫」と考えている方は、お持ちのクレジットカードを旅行代金の支払いで使わなくても保険が適用されるのか、今一度確認してください。
年会費が無料のクレジットカードで海外旅行傷害保険が自動付保されているクレジットカードは3つです。(2021年10月現在)
- エポスカード
- 横浜インビテーションカード
- セゾン・ブルー・アメックス
それ以外は、旅行代金(ホテルか航空機やJR等)の支払いを、そのクレジットカードでしなければ適用にならないカードやその他条件があるはずです。
今日は、旅行のプロである私が海外に保険なしで行くとどうなるのかとクレジットカードに付帯されている海外旅行保険について徹底比較をしたいと思います!
目次
海外旅行へ行くのに旅行傷害保険がなぜ必要か
なんて、お思いの方もいらっしゃるかと思います。
でも、そんなことは決してありません。
海外に行く際には必ず保険に加入してからお出かけください。
それでは保険がなぜ必要か?
海外で何かあった場合に高額すぎる医療費を支払うことになる為です
当たり前と言えば当たり前なのですが、日本で仮に救急車を呼んで病院に運ばれて入院という流れになった場合、支払いが必要な部分は健康保険証を提示すれば入院+手術や治療にかかる費用の3割がそれに相当します。
これは、日本には国民皆保険制度という制度があり、
- 被用者保険:主に会社員勤めの人とその家族
- 国民健康保険:75歳未満の自営業者とその家族
- 後期高齢者医療制度:75歳以上の方
上記3つのどれかに強制加入し、保険料を支払うことにより、健康保険証の提示で6歳~70歳未満は自己負担が3割になるという仕組みになっています。
また、高額な医療費を支払った場合は年齢や所得状況等によって違いますが、一定の金額が後から戻ってきます。(詳しくは全国健康保険協会HPをご参照ください)
これが海外に行った際の旅行先だとどうなるでしょう?
まず、救急車を呼ぶことに料金が発生します。
救急車って無料じゃないのーーーーーーーーーーーー??????
と、お思いの方もいると思いますがそうなんです。
有料なんです。
世界的に見ても救急車を1回発進することによりかかるコストは世界平均で45,000円とされております。
アメリカの田舎で深夜に盲腸で倒れてしまった場合
- 救急車:2,000ドル
- 病院に入院:1泊1,000ドル~×3日間
- 手術:8,000ドル
これくらいかかってしまうことが想定されます。
で、で、でも、支払いはこの3割でいいんだよな?
いえいえ違います。3割負担というのは先にも書いたように日本での話です。
これらが全額自己負担です。
実際、過去に私のお客さんでもいらっしゃいました。
ハワイで転倒して唇を切ってしまい、縫合のみで(救急車利用無し・入院無し)40万円かかってしまいました。 (そのお客様は保険に加入していらっしゃったので保険が適用され後から返ってきました)
おそらく、保険を利用することなく帰国される方がほとんどだとは思いますが、まれにこのようなことが実際に起こりえます。
この事態にも慌てずに対応するために保険の加入は必ずしていってください。
クレジットカードに付帯された保険の種類について
旅行保険をお客様にお勧めするとよく聞くのが
との声です。
でも、そのクレジットカードの保険、ほんとに大丈夫ですか?
クレジットカード付帯の保険には二種類あります。
- 自動付帯:カード会員であれば誰でも保険適用となる
- 利用付帯:旅行代金や航空運賃等をクレジットカード払いにすれば適用となる
今一度、ご自身のクレジットカードがどちらなのかを必ずご確認ください。
海外旅行傷害保険が自動付帯されているクレジットカードを徹底比較
2021年8月現在、海外旅行保険が自動付帯で年会費や維持費が無料のクレジットカードは3種類です。
- エポスカード
- 横浜インビテーションカード
- セゾン・ブルー・アメックス
エポスカード
マルイグループのクレジットカードで、こちらのカードは年会費・維持費が無料で自動付帯の海外旅行傷害保険がついてきます。
傷害死亡・後遺障害が十分とは言い難いですが、保険で一番使う疾病治療費用が高いため、おすすめできるカードです。
また、海外旅行傷害保険の自動付保以外にも、全国の飲食店で割引や特典がもらえたり、遊園地などの入場料のかかる施設も特別価格で入園することができるなど、お得なポイントも多くありますよ。
話しは海外旅行傷害保険に戻して、各保険金額はこのようになっております。
保険の種類 | 保険金額 |
傷害死亡・後遺障害 | 最高500万円 |
傷害治療費用 | 200万円(1事故の限度額) |
疾病治療費用 | 270万円(1疾病の限度額) |
賠償責任(免責無し) | 2,000万円(1事故の限度額) |
救援者費用 | 100万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
携行品損害(免責3,000円) | 20万円(1旅行・保険期間中の限度額) ※携行品一つ当たり10万円程度、乗車券等は5万円程度 |
傷害死亡・後遺障害が少ないかな?と思いきや、疾病治療費用が多少他のカードより高いのは魅力です。旅行のプロから言わせてもらうと、旅先で亡くなることよりも病気になる・けがを負う事の方が圧倒的に多く、はっきり言うと傷害死亡や後遺障害って海外旅行保険で必要?とも思います。
一番困るのが病院にかかりたいのに高額な医療費がこわくてかかれない、また、病院に救急搬送され、治療してもらい退院する時に『どっひゃーーーーーーー』ってことが一番困ります。
270万あると果たしてその不安が無くなるかと言われれば全くそんなことはありませんが、お守り代わりになってくれることは言うまでもありません。
横浜インビテーションカード
こちらも年会費・維持費が無料のクレジットカードで横浜観光プロモーションより正式認定を受けたものとなっています。発行元はジャックス。
無料でJ’sコンシェルというサービスが受けられるのも特徴です。
J’sコンシェルとは、カラオケルーム歌広場の質量が20%オフになったり、109シネマズが割引価格で見られたり、日産レンタカーの割引が受けられます。(抜粋)
またカードを利用すればラブリィポイントというかわいらしいポイントもたまり、カード請求額に利用したり商品と交換も可能です。
それではこのカードの保険金額を見ていきましょう。
保険の種類 | 保険金額 |
傷害死亡・後遺障害 | 最高2,000万円 |
傷害治療費用 | 200万円(1事故の限度額) |
疾病治療費用 | 200万円(1疾病の限度額) |
賠償責任 | 2,000万円(1事故の限度額) |
救援者費用 | 200万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
携行品損害 | 20万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
何といっても特徴は傷害死亡・後遺障害が最高で2,000万円でるというところです。
保険適用回数に限りは無く、何度でも無料で受けられるのにこの手厚さは魅力ですね。
セゾンブルーアメックスカード
こちらのカードはセゾン永久不滅カードが貯まる、25歳以下の方のみ年会費が無料のカードです。
カードは最短で3営業日で発行でき、急ぎで発行を要する方に最適なカードです。
また、25歳以下であれば無料なのに補償がかなり厚いです!
保険の種類 | 保険金額 |
傷害死亡・後遺障害 | 最高3,000万円 |
傷害治療費用 | 300万円(1事故の限度額) |
疾病治療費用 | 300万円(1疾病の限度額) |
賠償責任 | 3,000万円(1事故の限度額) |
救援者費用 | 300万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
携行品損害 | 30万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
25歳以下でしたらこのカード1択でしょう。
無料でこれだけの補償はほかにありません。
【補足】海外旅行傷害保険 種類について
- 傷害死亡・後遺障害:死亡または後遺症を負った際、保険金が受け取れる
- 傷害治療費用:海外旅行中にケガで病院を利用した際、その医療費を補填
- 疾病治療費用:海外旅行中に病気や体調不良で病院にかかる際、その医療費を補填
- 賠償責任:他人にケガをさせるなど、他人に損害を与えた際、その損害を補填
- 救援者費用:現地からの医療搬送の費用や日本にいる家族等に来てもらう時の交通費や宿泊費などを補填
- 携行品損害:持ち物を盗まれたり壊されたり、その損害を補填(修理した場合は修理費)
海外旅行傷害保険の使い方
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1病院にかかる際、クレジットカードが持つ『アシスタントサービス窓口』に電話をする
エポスカードなら『海外旅行保険受付センター』、横浜インビテーションカードなら『アシスタントサービス窓口』、セゾンブルーアメックスカードなら『海外アシスタンスデスク』という名称となっている箇所です。
24時間受付可能ではない可能性もありますので注意が必要です。
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2窓口担当に名前・滞在先・何が起こったかを伝え、病院に行きたい旨を伝える
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3窓口担当からどこの病院に行けばよいか指示があるので、それに従う
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4タクシーや公共交通機関で病院に向かい、診察を受ける
タクシーや公共交通機関で払った料金も保険が適用となる可能性もありますので、領収書がもらえたらもらっておきましょう。
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5支払いは保険会社直接
保険会社から紹介のあった病院の場合は、旅行者本人が支払いをする必要ありません。
上記が保険の利用の仕方ですが、窓口がお休みで電話につながらない場合や先に病院にかかってしまった場合など、後から保険会社に連絡することもあろうかと思います。
その際は、原則、支払いは旅行者本人がしなければいけません。
高額になりそう・・・、入院しており支払い終える前に窓口に電話ができそうな場合は、病院にかかった後でも窓口に電話をし、状況を説明してください。
そうすると、紹介した病院でなくても旅行者の支払いがないように交渉してくれる可能性があります。
もしそうでなければ一旦は支払いを済ませ(現金またはカード)、後から保険会社に保険金請求の手続きをしてください。
まとめ
1枚のカードで済ませたいという場合は、25歳以下なら補償が厚いので、セゾンブルーアメックスカードがおすすめです。
26歳以上の場合は死亡保障・後遺障害の手厚さよりも疾病治療費用の手厚さを優先させるべきなのでエポスカードがおすすめです。
ただし、クレジットカードの海外旅行保険は複数枚持っていると補償内容はさらに手厚くなるんです!(死亡・後遺障害の補償は加算されません)
例えば25歳以下で3枚持った場合、疾病治療費用は770万円です。
もし、複数枚持つことに抵抗がないのであれば、複数枚持たれることをお勧めします。