こんにちは。
旅行業に携わりはや10数年。
延べ9,800名の旅行を企画した私、おはげと申します。
面倒な部分はわたくしどもにお任せいただき、皆様はカバンを持って現地に出向くだけ♪をモットーにお仕事しています。
こんなお困りのあなたに、旅行会社に15年務めてきた私が、キャンセル料とは何なのか、キャンセル料はいくらかかるか、それを安く抑えられるかもしれない方法をお教えします。
この記事には実際の交渉文を記載していますので、この記事を読んで、一度交渉してみて下さい。
目次
キャンセル料はなぜ発生するのか
そもそもなぜ、キャンセル料がかかるのでしょう?
そうです。
規定にあるからなんですけど、本質の部分でなぜ、キャンセル料が発生するかを考えてみました。
- 食材などの材料費が発生するから
- その予約に対して、人の手間がかかっていることからの手間賃
- 予約の為に座席を空けたり部屋を取っているため、他の方の予約を断っているため
この3つが大きなキャンセル料の要素となっています。
詳しく説明していきます。
食材などに対する実際にかかっている材料費としてのキャンセル料
夕食付きの宿のキャンセルを行った場合、宿は何日か前に食材の発注をかけ、食材の用意をします。
前日のキャンセルが発生すれば、宿は仕入れた食材を買い取ることになり、全てが損失となります。
翌日に回す事や仕入れ自体キャンセルできることもありますが、お刺身などはキャンセルがききません。
翌日にも使えないことがほとんどなので損失が大きくなります。
お客様からキャンセル料の支払いがあればその損失を補填できるので宿のマイナスは無くなります。
手間賃としてのキャンセル料
お客様から予約をいただいたら旅行会社はどんな仕事ができるでしょうか?
- 予約をいただいた宿、バス、飛行機などの機関に対して予約ができるか確認
- 予約ができなければ代替案を調べ、お客様に提示
- 予約期間に対してメールやFAXで予約詳細を伝える
- お客様に予約ができた旨を書面やメールで提示
- 予約機関への予約デポジットの支払い
- お客様へ請求書の発行
- 予約1週間前から2日前に各機関へ最終確認
予約機関によっては違いますがこのような仕事が発生します。
1人で仕事をしていれば手配ミスなんかも起きる可能性があるため、通常は何人かの目を通すことになると思います。
紙代・通信費・支払手数料など、実費でかかる費用も発生しますし、その間、人が動いているので人件費もかかりますね。
簡単に見える「予約」という行為でも、意外とお金や時間が発生しています。
他の方を断ってお部屋や座席を確保しているため
早いもの順ではあるものの、その方が予約をしなければ他の人が実際に旅行を遂行することができた可能性もあります。
旅行がキャンセルされずに遂行されたら、旅行会社やホテル、航空会社は実際の支払いを受けることができました。
でも、キャンセルをされると支払いを受けることができません。
「部屋や座席の確保」とは、あなたの為に開けており、その分予約できない人も発生しているという事です。
キャンセル規定はどこを確認すればよいのか
そもそも、どの予約機関のキャンセル料を調べればよいのでしょうか?
仮にあなたが2泊3日で沖縄旅行に行くことになったとします。
プランA:予約は旅行会社で行った場合
旅行会社のキャンセル規定が適用となる
プランB:予約は旅行会社でせず、各機関で行う場合
航空機はANAのホームページから、ホテルはじゃらんから、レンタカーは楽天で取った。
その場合、航空機はANAのキャンセル規定、ホテルはじゃらんのキャンセル規定、レンタカーは楽天のキャンセル規定が適用となる
あなたが予約をどこを通して行ったのか、直接予約をしたのかによってキャンセル規定が変わって来ますよ。
注意ポイント
旅行会社で予約をしたとしても注意書きで“航空機のキャンセル規定は各航空機のキャンセル規定に準ずる”とある場合もありますので、旅行会社に一度確認しましょうね。
キャンセル料はいつからかかる?旅行にまつわるキャンセル規定を調べてみた!
各機関のキャンセル規定は通常期か繁忙期かで異なります。
また、パッケージツアー(パンフレット商品)の場合は独自でキャンセル規定を作っている場合もありますのでこの限りではありません。
JTB:旅行会社のパッケージ商品のキャンセル規定
契約解除の日 | 取消料(おひとり様) | |
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって | 1)11日目にあたる日以前の解除 | 無料 |
2)10日目にあたる日以降の解除(3~6を除く) | 旅行代金の20% | |
3)7日目にあたる日以降の解除(4~6を除く) | 旅行代金の30% | |
4)旅行開始日の前日の解除 | 旅行代金の40% | |
5)当日の解除(6を除く) | 旅行代金の50% | |
6)旅行開始後の解除または無連絡不参加 | 旅行代金の100% |
近畿日本ツーリスト:旅行会社のパッケージ商品のキャンセル規定
取消日 | 取消料率 |
旅行開始日の20日前~8日前 | 旅行代金の20% |
旅行開始日の7日前~2日前 | 旅行代金の30% |
旅行開始日の前日 | 旅行代金の40% |
旅行開始日当日 | 旅行代金の50% |
旅行開始後及び無連絡不参加 | 旅行代金の100% |
日本旅行:旅行会社のパッケージ商品のキャンセル規定
旅行契約の解除期日 | 取消料(おひとり様) | |
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって | 宿泊付旅行 | 日帰り旅行 |
1)21日目にあたる日以前の解除 | 無料 | 無料 |
2)20日目にあたる日以降の解除(3~7を除く) | 旅行代金の20% | 無料 |
3)10日目にあたる日以降の解除(4~7を除く) | 旅行代金の20% | |
4)7日目にあたる日以降の解除(5~6を除く) | 旅行代金の30% | 旅行代金の30% |
5)旅行開始日の前日の解除 | 旅行代金の40% | 旅行代金の40% |
6)当日の解除 | 旅行代金の50% | 旅行代金の50% |
7)旅行開始後の解除または無連絡不参加 | 旅行代金の100% |
旅行代金の100% |
ANA楽パック/JAL楽パック:旅行会社のパッケージ商品のキャンセル規定
取消日 | 取消料率 |
旅行開始日の21日前まで | 無料 |
旅行開始日の20日前~8日前 | 旅行代金の20% |
旅行開始日の7日前~2日前 | 旅行代金の30% |
旅行開始日の前日 | 旅行代金の40% |
旅行開始日当日 | 旅行代金の50% |
旅行開始後及び無連絡不参加 | 旅行代金の100% |
旅行会社で申し込みをした航空機(個人包括旅行運賃)のキャンセル規定
取消日 | 取消料率 |
旅行契約の締結時から利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって55日目にあたる日まで | 500円 |
利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって54日目にあたる日から21日目にあたる日まで | 2,000円 |
利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって20日目にあたる日から8日目にあたる日まで | 3,000円 |
利用航空便搭乗日の前日から起算してさかのぼって7日目にあたる日から前日まで | 6,000円 |
利用航空便搭乗当日(航空便出発前) | 9,000円 |
搭乗予定便出発時刻以降 | 運賃額の100% |
航空機のキャンセル規定:ANA
取消日 | 取消料率 |
航空券購入後~搭乗日55日前まで | 取消し手数料はかかりませんが払い戻し手数料440円(1区間につき)はかかります。 |
搭乗日54日前~搭乗日45日前 | 運賃の約30%相当額 |
搭乗日44日前~搭乗日28日前 | 運賃の約40%相当額 |
搭乗日27日前~搭乗日14日前 | 運賃の約50%相当額 |
搭乗日13日前~出発時刻前 | 運賃の約60%相当額 |
出発時刻以降 | 運賃額の100%相当額 |
※ご購入された運賃クラスによってキャンセル規定は異なります。(上記はANA SUPER VALUE PREMIUM 28・ANA SUPER VALUE 75・ANA SUPER VALUE 55・ANA SUPER VALUE 45・ANA SUPER VALUE 28・ANA SUPER VALUE 21・ANA SUPER VALUE SALEのキャンセル規定です)
上記以外のキャンセル規定はANA公式ホームページをご確認ください。
航空機のキャンセル規定:JAL
取消日 | 取消料率 |
航空券購入後~搭乗日55日前まで | 取消し手数料はかかりませんが払い戻し手数料440円(1区間につき)はかかります。 |
搭乗日54日前~出発前 | 運賃の50%相当額 |
出発後 | 運賃の90%相当額 |
※ご購入された運賃クラスによってキャンセル規定は異なります。(上記は先得チケットの購入時です。)
上記以外のキャンセル規定はJAL公式ホームページをご確認ください。
OTA(オンライン旅行サイト)のキャンセル規定:楽天トラベル
楽天トラベルは予約施設や機関ごとのキャンセル規定に準じている場合がほとんどです。
予約へ進んでいくとキャンセル料の記載がある場所がありますので、そこを予約前に確認しておきましょう。
それでも、大体のパターンがありますので、記載しておきます。
ホテルのキャンセルの場合
取消日 | 取消料率 |
宿泊日2日前までのキャンセル | 無料 |
宿泊日前日までのキャンセル | 宿泊代金の20% |
宿泊日当日のキャンセル | 宿泊代金の80% |
連絡なしの不泊 |
宿泊代金の100% |
パッケージツアーのキャンセルの場合
取消日 | 取消料率 |
旅行開始日の20日前~8日前 | 旅行代金の20% |
旅行開始日の7日前~2日前 | 旅行代金の30% |
旅行開始日の前日 | 旅行代金の40% |
旅行開始日当日の搭乗時間前 | 旅行代金の50% |
旅行開始日当日の搭乗時間後 | 旅行代金の100% |
無連絡不参加 | 旅行代金の100% |
ホテルのキャンセル規定
ホテルごとによって異なりますが、大体のパターンは下記です。
取消日 | 取消料率 |
宿泊日2日前までのキャンセル | 無料 |
宿泊日前日までのキャンセル | 宿泊代金の20% |
宿泊日当日のキャンセル | 宿泊代金の80% |
連絡なしの不泊 |
宿泊代金の100% |
キャンセル料を払わないとどうなる?
旅行予約をし、お客さんは旅行代金(または旅行代金の一部)を支払い、旅行会社はお客さんに契約書を渡した時点で、契約が成立されたことになります。
これは旅行契約なのです。
その契約時には旅行会社や各施設はキャンセルの規定も提示しなくてはならず、お客さんはそのキャンセル規定を確認し、承認しなければ成立しません。
もしキャンセル規定やその他旅行会社から提示された情報に対して承認することができなければお客さんは旅行契約をしてはいけません。
旅行会社から提示のあったキャンセル規定を承認し、旅行契約を結び、それをキャンセルした場合、提示されたキャンセル料を支払うのが当たり前なのですが、このキャンセル料を支払わなかった場合はどうなるでしょう?
私はキャンセル料を支払われなかった経験がありませんが、裁判所を通して賠償責任請求をされる場合があります。
賠償責任請求をされなかった場合でも、今後、その旅行会社や各施設の利用ができなくなる可能性があります。
いずれにせよ、ご自身が一度承認して結んだ契約なのであれば支払う必要がありますね。
ただし、どの時点で旅行契約が成立されるかは旅行会社に確認をした方が良いと思います。
キャンセル料を払いたくない!旅行会社への交渉はどのようにする?
それでも、キャンセル料を支払いたくない!!
こんなふうに思われますよね。
分かります。
すごくわかります。
今であれば、同居の家族がコロナになってしまった、子どもが熱を出した、など不可抗力で旅行を取りやめざるを得ない状況になる場合だってありますよね。
どうしても・・・の時には一度交渉してみましょう。
なんとなくですが、航空会社や楽天トラベル・じゃらんなどのOTA(オンライン旅行会社)は交渉が難しい場合がほとんどだと思いますが、旅行会社を通じた予約の場合はもしかしたら交渉してOK、または、減額となる事もあります。
キャンセルの際のポイントがあります。
キャンセル時のポイント
- 楽しみにしていた旅行が○○があり(キャンセル理由)キャンセルせざるを得ない状況となった
- せっかく手配してもらったのにキャンセルになったことに対する謝罪
- 今回はキャンセルだが、次の旅行を申し込みたい
- 次回こそは旅行へ行くのでキャンセル料の免除ができないか交渉
step
1謝罪のメールをする(担当者がいる場合)
担当者がいる場合や、予約時にもらった書類にメールアドレスの記載がある場合はまずキャンセルをしたらメールを送ります。
下記例文をのせておきます。
step
2電話をする
同じ内容にはなりますが、電話をして再度想いを伝えましょう。
私たち旅行会社の社員もホテルで働く従業員も、お客さんが喜んでくださることが何よりの喜びで働いている人がほとんどです。
本来であれば喜んでもらいたいので、キャンセル料は取りたくありません。
会社の規定で請求しなければいけない場合がほとんどですので、「また次に予約がある」という状況は私たちも上司にキャンセル料免除の交渉がしやすくなります。
無理かもしれませんが、一度やってみてください。
航空機の部分はキャンセル料免除がきかないかもしれませんが、そのほかの部分はきく場合もあります。
追記:台風時の楽天トラベルのキャンセル料は払わないとだめ?
台風11号が来た際、わたしは沖縄へ行ってきました。
何とかキャンセルをせずに旅行は決行できましたが、同じ日に私の親友も沖縄へ行く予定でした。
友達の飛行機は欠航にはなりませんでしたが、欠航の可能性があったのでホテルも飛行機もキャンセルをしたようです。
飛行機はマイルで予約をしていましたので、ホテルのみのキャンセルです。
ホテルは楽天で予約をしており、出発5日前だったのでキャンセル料が発生していました。
念のため、ホテルにキャンセル料がかかるか確認してみたところ、『台風が理由』という事でキャンセル料は免除されたようです。
ホテルに言わなければ、楽天トラベルにキャンセル料を支払うことになっていましたが、ホテルに連絡をすることでキャンセル料の支払いは免れました。
台風での旅行キャンセルはよくある事ですので、宿泊予約サイトからの予約の場合は、ホテルに一応確認をしてみてくださいね!
まとめ:キャンセル料がなるべくかからないよう予約前に今一度確認が必要
誰もが支払いたくはないキャンセル料。
これが発生するのは旅行契約が成立してからです。
旅行会社・ホテル・航空会社・バス会社などの施設や機関ごとによってキャンセル規定は違いますので、契約成立前にキャンセル規定の確認をしてください。
そのキャンセル料を支払わなくても済むよう交渉するには下記をおさえてください。
- 楽しみにしていた旅行が○○があり(キャンセル理由)キャンセルせざるを得ない状況となった
- せっかく手配してもらったのにキャンセルになったことに対する謝罪
- 今回はキャンセルだが、次の旅行を申し込みたい
- 次回こそは旅行へ行くのでキャンセル料の免除ができないか交渉
旅行会社や各施設もキャンセル料を取りたくて仕事をしているわけではないので、相手の立場にもたち、交渉してみてくださいね。
それでは!